2011年度かがやきセミナー「障害がある人の自立した生活を考える」

―グループホーム・ケアホームに焦点をあてて― の報告

 

 2011
年6月18日(土)、神戸市立新長田勤労市民センターにおいて、「2011年度かがやきセミナー 障害がある人の自立した生活を考える―グループホーム・ケアホームに焦点をあてて―」が開催された。利用者、家族、職員の他このテーマに興味をもたれた関係者で120名を超す参加者が、「暮らす」「住まう」
ということについて学ぶ機会となった。

はじめに、かがやき神戸西高島氏が取り組んでいるグループホーム「森友寮」の経過と運営を紹介した。森友寮は主に精神障害をもつ人を対象に平成12年にスタートし、今年1月には第3森友寮も開所された。高島氏は、かつては何よりも物件を借りることが困難であったが、少しづつ周囲の理解も得られるようになったこと、生活を再建するためには日中の活動や話し合える仲間が必要なことを報告された。メンバーの方からも「グループホームを利用して生活リズムが整ってきた」「一人で暮らす自信につながる」という報告があった。

次に、かがやき神戸北の臼井氏が経緯と状況を報告した。仲間の思いと家族の思い、地域の理解がむすびついて、平成14年に「のびのびホーム」が開設された。さらにその思いがひろがり、現在は「あったかホーム」「ゆったりホーム」「げんきホーム」「ほのぼのホーム」「さわやかホーム」が運営されている。ホーム毎に特性が違っている。かがやき北では、夜間に職員の支援がないグループホームだけではなく、夜間も支援があるケアホームが運営されている。「重い障害をもちながら地域で暮らす」支援をするためには多くの職員やヘルパー、ボランティアの幅広いサポートの必要性であることが強調された。続いて、柴木氏はスライドを使って実際のホームの日常の様子を紹介し、ご近所とのつながりや支えの大切さをあげた。笑顔にあふれた仲間のスライドに会場は暖かい雰囲気に包まれたが、同時に柴木氏は、障害者自立支援法下ではあまりにも報酬単価が低いため、ホーム運営はとても困難であることを切実に訴えた。また、仲間からは「ホームは楽しい」「家族との関係を見直せた」「自信がついた。将来は一人暮らしや結婚も考えたい」といった報告があった。

家族の立場から、香山氏は「ホームに行ってくる、という言い方が、ホームに帰るという言い方に変わった」と紹介し、本人の成長を感じた体験を語られた。松原氏は、「家族のニーズ調査を行った。@ショートステイを、A体験宿泊を、B障害の重い人も使えるといった要望があった」と紹介した。そして、もっと家族がホームについて学ぶ必要もあると語った。

これらの発表や報告を受けて、かがやき神戸理事長の池山氏からは、法人の将来検討の中に利用者や家族の声をさらに取り入れていく、との発言があった。

最後に、セミナー主催者であるかがやき神戸を支援する会会長の澤村誠志氏が、「セミナーの前に実際にホームを見学したが、障害をもちながらも地域で暮らすことの大切さをあらためて実感した。今後も大変だろうが支援を続けてほしい」と感想を述べられた。

「暮らす」「住まう」という大きなテーマであったにもかかわらず、職員の熱心な取り組みの報告と、利用者の笑顔と自信を感じさせる発表で、実情と課題が整理された印象を受けた。多くの参加者からも、今後もこういったテーマでの研修を希望する声が聞かれた。有意義なセミナーであった。